家康さまは私達の様子を見るために時折四国を訪れてくれる。
天下を統一して忙しい身分だと言うのにわざわざ時間を割いてくれるのだ、さすが真のイケメンは中身の格も違った。

しかし家康さまがこっちに来ると三成さまは酷く不安定になる。
初めのうちは時間が解決してくれるだろうと思ったけれど、すぐにそんなことはないのだと気付いた。

この麗人は滅多に自分を変化させることなどしない。
考え方を変えようとしない、想いを忘れようとはしない―――変化を、無意識のうちに酷く嫌う。
だから家康さまを許して受け入れるなど、きっと自発的にはできない。そんな愚直は美徳かもしれないけれど、それでも今回は。

私も家康さまの様子は気になっていたけど、その度に三成さまが会わせまいと私を抱き寄せて離さない。
拘束するように、確かめるように、渡すまいとでも言うように、強く。


そして今日も私は三成さまの部屋から出られずにいる。


「三成さま、」


ぎゅうと子供のように私を抱き寄せ、肩口に顔を埋めたまま反応がない。

生まれたばかりの赤ん坊は毛布を握りしめると離さないというアレを思い出す。つまり私=毛布。
しかし本人にそんなことを冗談でも言ったら斬滅されること必須なので賢い私はそれを口にしない。さすがに学んだ。


「、三成さま」


肩口にさらさらとかかる心地よい銀糸をたどたどしく梳いてみる。
私はここにいるというのに、名前を呼んでいるというのに、無反応を貫く首筋はその白さも相まって妙に人形めいている。


「・・・・三成さま、家康さまが来てますよ。私、会いに行ってもいいですか。」


返事の代わりに抱き寄せる力を強められて少し苦しくなる。どうやら答えはNOらしい。


「そのまま置いて行ったりしませんよ、傍に居るって言ったでしょう。ただ、家康さまの様子を見たいだけです。」


抱き寄せたままの姿勢のまま床に倒れ込んで私を地面に縫い付ける。
私の上に跨り見下ろす表情は支配権を握ってるにも関わらず苦しそうで、思わず唯一自由な左手をその頬に伸ばした。
まるで年端もいかない子供のような表情で見つめられてしまえば、もう家康さまに会いに行きたいなどは言えずに。


「家康さまのこと、まだ許せませんか。」

「――――私は、」


せっかく言葉を濁して見せても代わりに端正な顔が歪み、それが正答だと如実に伝えてくる。
話を逸らすことも隠し事すらもできない不器用なひと。欠点ともとれる性格にも愛しさを感じた私は重症だ。

しかし事実、三成さまと家康さまの戦いの決着はついていない
毛利さまやら何やらで揉め、そして友軍になった今は私闘は厳禁と有耶無耶になったまま放置されている。
それに長宗我部さまと家康さまは親友ということもあり、それがまた理由となり三成さまを焦らせる原因になってるのだ。


「でもそれを言うなら、正直私は元親さまに思うところはあるんですよ。」


薄い色素の瞳が見開かれる。私の言葉は彼にとって予想外だったらしい。
仕方がない、この人に他人の昏い感情を理解しろだなんて無理な話だ―――この人は、美しい人だから。
自分の醜さに少し落ち込んでいると遠慮がちに白い指先が私の前髪を撫でていった。以前とは違い、理解しようと努力してくれる美しい指。


「・・・・・刑部のことか。」

「三成さまは、長宗我部さまを責めてなくて・・・・それ自体はいいことなんですけど。
 でも私には正直その違いは分かりません。ねえ、三成さまにとって家康さまと元親さまの違いは何ですか?」


どうして家康さまは今でも憎いのに元親さまは責めないの?

家康さまは三成さまを裏切り、秀吉様を殺し互いの絆はぼろぼろになった。
吉継さまは三成さまを裏切り、元親さまと家康さまとの絆をボロボロにした。

何をしたかの違いはあっても吉継さまも三成さまにとっては大切な友達だったのに。


「刑部は戦って・・・死んだ。長曾我部に倒される理由があった。」

「でもそれなら秀吉様だって、色々な人に倒される理由があったはず。
 その中で家康さまが秀吉様と戦って、倒した。理由もあった、なぜ?」

「分かっている・・・・・分かってはいる。だが、」


三成さまが何かを堪えるような表情になり、泣きだす寸前の子供のようなそれになる。
それを見てすとんと胸の内に何かが落ちてくるような―――自分が何をすべきかが分かったような気になった。

私はまだこの人の為にしてあげられることがある。


「分かりました、三成さま。」


三成さまの身体の下から芋虫のようにずりずりと這い出て立ち上がる。
久々に拘束から逃れたせいか骨がぎしぎしと軋んだが気にしない。


「ちょっと私、行ってきます!」

「どこへ行くつもりだ。まさか家康の・・・」

「明日にちゃんと教えるんでとりあえず三成さまは寝て体を休めててください!」


返事を待たずに戸を開けて部屋を飛び出す。
半ば小走りになりながら廊下を進み、これから言うお願い事のために床に額を擦り付ける程度で済めばいいなぁと考えた。













翌日、私と三成さまは砂浜に佇んでいた。海は当然ながら青い。
朝靄のかかる程の早朝、海からの風は反射して異常に寒く、平然としている三成さまの横で私は情けなく震えていた。
隣に立っている三成さまはあの甲冑に陣羽織と―――刀を持った戦支度。久しぶりに見る戦の前の姿。


「さむさむさむざぶざぶざぶざぶ・・・有り得ない、さむい。超有り得ない、さむいさぶいさぶい・・・・・」


壊れたおもちゃみたいにぶつぶつと寒いと繰り返し振動する私はさぞかし不気味だったろう。
三成の美麗な眉間に皺が寄せられ、私の腕をぐいと掴む。
本人にしてみても理由も明かされないまま戦闘準備でこんな朝っぱらに引っ張り出されてさぞかし迷惑しているに違いない。


「ならば早く屋内に戻るぞ。身体を冷やすな。」

「ま、待って、だめ、もうちょっと待って・・・・っくしゅん!あー・・・・」

「待たない。にこれ以上寒い思いをさせてなるものか。」


白い砂を踏んで私を建物の中へ引き摺りこもうとした細い足が不自然に止まる。
薄い唇が微かに息を呑み、若干緊張したような気配にやっと来たのかと顔を上げた。


「遅いです。元親さまも・・・・・家康さまも。」

「いやーわりぃわりぃ!誰にも見られないように、て言われてたからな。」


怖れ―――ではないだろうからきっと無意識に細い足がじりりと僅かに後退する。
どんな強敵の前にも膝を折らないだろうあの三成さまを退かせるなど、今この瞬間には僅かしかいない。

予想通り視線の先には元親さまと、彼に連れられた家康さまがこっちに向かって歩いてくる。
二人とも筋肉隆々で体格がいいけれど不思議とそれを怖いとは思わない。悠然とした様子から巨象が歩いてくるような光景だった。


「、」


どういう事だとあの色彩の薄い瞳が問いかけてくる。助けを、求めている。
しかし私は小さなSOSを敢えて見逃し内心の不安を隠して彼にほほえみ返した。


「三成さま、家康さまと今ここでケリを着けましょう。ちょっと古臭い表現ですけど決闘です、決闘。」

「―――ふざけるな。友軍同士で私闘など、」

「俺ァ喧嘩なら構わねえぜ?喧嘩は漢の仕事みてえなもんだからな。」


がっはっはと豪快に笑う海賊は話と物分かりが非常によくてとても助かった。

昨日、この話を持ちかけた時にてっきり反対されるだろうとジャンピング土下座かスライディング土下座か迷ったものだが。
家康さまも自身の身を危険に晒すというのに二つ返事で請け負ってくれて、ああマジで後光が差して見えたものだ。

そうこうしている内に家康さまと三成さまが向かい合う。
太陽と月が、天下の双璧が、宿敵同士が―――久方振りに対峙する。


「三成、久し振りだな。こうして顔を合わせるのは。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「そうですねー、そしていきなり無理を言ってしまってすみません。」


押し黙った三成さまの代わりに私が再会の挨拶をしてから、くるりと振り返って三成さまを見上げる。

案の定、葡萄の実のような瞳がぐらぐらと不安定に揺れていた。
今この場で斬りかかりたいという衝動を何とか理性で喰い止めているような有様だと、容易に知れた。
けれどその様子見ると、すぐに斬りかからないところを見ると、彼も変わる努力をしようとしているのだとこの賭けに踏み切れるのだ。


「三成さま、喧嘩ですからね殺し合いじゃなくて。
 条件も対等にしたいからその刀を使ってもいいけれど、人殺しは絶対に駄目です。」

「は私に家康と戦い、殺すなと言うのか。」

「いいや別に?私のはあくまでもルール説明?えーと、規則の説明みたいなものなので。」


そう嘯いて見せる私は普段通りに振る舞えているだろうか。

ぎゅうとこちらにもそんな擬音が聞こえてきそうな程に強く、黒い籠手が刀を握り締める。
彼は何事にも迷わない竹をぶった切ったような性格なので、こんなに他人に煩わされて悩むなんてきっと初の経験に違いない。
三成さまにしてみれば鴨がネギも鍋も背負ってわざわざこちらにやって来たのに斬滅するなと言われているようなものだ。

そして私もそんな酷いことをしているという自覚がある。

あのまま家康さまと三成さまを、こうして会わせなければそんな辛い思いをさせないで済むというのに。
そのままこの大きな子供を微温湯に浸からせてまどろませてあげたらよかったというのに―――しかし私は吉継さまとは違ったので。


「三成さま、そんなに辛いんならもういっそ思いっきり戦って決着を付ければいいんですよ。
 いつまでもうだうだごちゃごちゃと唸って、悩んで、苦しむくらいなら、こうして。」

「・・・・私が家康を殺すとは考えないのか。にとって、友だろう。」

「そして三成さまにとってもね。私、はっきりと互いが友達だなんて言わなかったけど。
 でも確かにあの時、あの瞬間は私達は友達だったと・・・一度は崩れてしまっても、今もそうだと思ってます。」


家康さまが私の言葉を瞳を閉じて聞いていた。否定せずにいてくれた。


はっきりいって私達は健全な友人関係から始まった間柄ではなかった。

私は三成さまが苦手だったけれど家康さまにはよく懐いていた、しかしそれは相手にとって友人というよりはただの重荷だったと思う。
三成さまはぶっちゃけ私のことを死ねとか思ってたしよく口にした、家康さまのことは豊臣政権の礎程度にしか思っていなかったと思う。
家康さまは最初から私達の仲を調停するために、命令されてきっと最初の内は仕方がなく友達をしていてくれただけだ。

普通に慣れ合ってじゃれ合って、満面の笑みで付き合うようなものはなかった。
互いに互いの存在を認めるというだけの―――ただそれだけのささやかな交友関係。けれどそれだけで充分だった。


「私は信じてますからね。」


三成さまの薄い胸板、心臓の上に銃口のように人差し指を押し当てた。

この賭けのテーブルの上に乗っているコインは私と家康さまの命。
その白い指先には秀吉様への崇拝と自分の矜持、元親さまへの恩と家康さまへの憎しみ、そして私という白札が握られている。


「三成さまは変われるって、信じてますよ」


さくさくと砂浜を歩いてそう遠くない距離にいた元親さまの隣に並ぶ。
隣でルールだとかスタートの合図だかを大雑把に説明してるのが耳に入ったが頭には入らない。
緊張のせいか耳の後ろで血流がどくどくと流れている、僅かに指先が震えたことに彼は気付かないでいてくれただろうか。

元親さまの説明が終わった後も三成さまは激情を堪えるような、辛そうな表情をしていた。


「アンタがこんなことを言い出すのは意外だったな。」


一拍遅れて海賊が私を見下ろしていること、そして自分のことを指しているのだと気付く。


「・・・・まー私たぶん元親さまが思ってるほど優等生じゃないんで。
 プロレスとか異種格闘戦とかテレビ付けてたまたまやってて他に見たい番組がなかったら見るくらいしますよ。」


もっとも、今回のは画面越しではなくリアルファイトなのだが。
しかもそれをけしかけたのは私という思いっきり当事者なのだが。

案の定、後半の私の言ってることなど分からないという表情で鬼が首を傾げ、説明が面倒だし特に意味もなかったので話題を変える。


「ありがとうございます。私のワガママに付き合ってくれて。」

「ま、礼なら家康にも言ってやるんだな。結局のとこ俺ァ立会人になってるだけだ。」

「ええマジで頭上がりませんね・・・・まぁ、家康さまもきっと三成さまのこと信じてくれたんですよ。」

「まぁ・・・・・・それもあるだろうが、」


元親さまが若干複雑そうな、よく分からない表情をしたが疑問に思うよりも先に言葉が続けられる。


「で?アンタはどっちが勝つと思ってるんだ?」

「さぁ?昔は三成さまの方が強かったですけど、今は分からないし正直どっちでもいいです。」

「そこは石田って言わないのな。恋仲だろ?」

「別に三成さまが負けたからといって嫌いになるとかありえないですし。ベタぼれですし。」


言わせんな恥ずかしい、と鼻で笑ってみせると西海の鬼と謳われた男は若干引いたようだった。
しかしまぁ、と続けて元親さまもまた同様にあの二人に目を遣る。


「確かに今回はどうでもいいんだったな、そんなことは。」


大事なのは勝ち負けじゃないっていうフレーズはよく耳にするが実際そうなのだ、これは喧嘩ではなく賭博なのだから。
肝心なのは三成さまが家康さまを殺さないかどうか。賭けの内容もその一点。

もし過去を、秀吉様の仇という憎しみを乗り越えられなければ―――それは三成さまと、ひいては私の負けだ。
それがそのまま三成さまは変われないという証明になる。変われないまま、憎しみを捨てられないまま、殉教者のまま、凶王のまま。
私は結局この世界で何物にも影響を与えられることのできなかった、空気だったということにも。


もし私が三成さまに殺さないでと懇願すれば、命令すれば、きっとそれは叶う。
自分の心を押し殺してでも私の願いを叶えてくれる、彼はそういう人だ―――でもそれでは全く意味がない。

三成さまが家康さまを殺さないという選択をするのが、この場合は何よりも。


「それより、もうちっと離れた方がいいんじゃねえか?俺は強いからともかくアンタは、」

「ううん、この位置がいいんです。巻き込まれる位に近い方が、いざという時に二人の間に入って止められるでしょう。」


自然と指を組み、祈るような仕草で二人を見る。でもこの場合は誰に祈ればいいと言うのか。


「家康さまは命を賭けてくれている。三成さまは悩んですごい苦しんでいる。私が二人をけしかけたから。
 なのに私だけ安全な場所から見守るってのはずるいっていうか・・・・卑怯だから。私も命を賭けないと、不公平です。」


私もまた命を賭けている、このことは今この瞬間まで誰にも言っていなかった。
言えばきっと心優しい家康さまはそもそもこの提案を受けて入れてくれなかっただろうし、三成さまもまた応じない。
よしんば承認してくれてもそこには余計な不純物が混じってしまい、この決闘は行うまでもなく無意味になる。

元親さまは虚を突かれたような表情を一瞬だけ見せた後、いかにも面白いという満面の笑みを浮かべて見せた。


「ハハッ!なんだアンタ意外に面白いな。家康も石田の野郎もよく趣味が分からねえと思ってたけど、これは、」


くくくと何が面白いのかものすごく上機嫌そうに鬼が笑う。
何の趣味だかはなんとなく察してしまった私は遠慮なく渋い顔を作ってやった。


「まぁ、家康さまはどうかは分かりませんが三成さまは趣味悪いと思いますよ。
 私みたいなちんちくりんを捕まえて、貴様がいいだなんて言ってくれるのはきっと三成さまくらい。」

「いやいや!俺もアンタが気に入ったぜ?なぁ、。」


どっかりと隣に腰を下ろして元親さまが私の名前を呼んだ。
そういえば初めてかもしれないなぁ、と謎の感動が胸の内にやってくる。


「元親さま、私には野望があるんですよ。」

「へえ・・・・どんなのだい?」

「家康さまが天下を治めて、それを三成さまが隣で支えてあげるんです。補佐っていうか。
 三成さまってすごい有能みたいですし、もし家康さまが間違えても三成さまなら遠慮なくぶん殴って止めてくれると思うんですよね。」


その逆もまたしかり。

家康さまはさすがに殴ったりはしないだろうけれど、きっと怯えずに対等に諫めてくれる数少ない人だから。
もし三成さまがあの性格のせいで対人関係に角が立ったとしても、きっと丸く収めてくれるだろうから。
・・・・・っていうか、あんなに気性が激しい家臣を雇ってくれるのは今となっては家康さま位だと真剣に思うんだけどどうか。

三成さまもそれなりの付き合いを通して、やっぱり彼は誰かの補佐をしている時が一番輝くと思うのだ。(例:秀吉様
実際にはとても有能なのだから、壊してしまった四国を復興させるのも大事だけどここで枯れさせたくはない。
それに家康さまに心酔している訳ではないから、きっと体を壊すような無茶もしでかさない。

天下の器と天下を補佐する器―――そんな二人がきっちりとうまく噛み合えば、それはきっと平和な天下が生まれると思うのだ。


「その二人を後ろで眺めながら、もし三成さまが暴走した時は水をぶっかけられるような。
 そんな立ち位置で二人が力を合わせて天下を治めてくれるのをこの目で見たいです。」


まさか異世界でこんな子供みたいに輝かしくて壮大な夢を持つことになるなんて思わなかったけれど。
でもそれはとても―――幸せな夢、ここに来なければ得られなかったような、生甲斐。


「そうだな・・・そんな天下なら、きっと安泰だな。俺も見てみたくなっちまったぜ、そんな世界を。」

「でしょう!だから二人に怨恨を残してもらっちゃ困ります。ここでばしっと解決してもらわないと!」


わくわくと子供が大好きな漫画の続きを楽しみにするように目を輝かせて、はたと気付く。


「というか、ここが危ないって言うんなら元親さまの方こそ離れればいいじゃないですか。
 いくら強いって言っても危険に変わりはないんでしょう?」

「みたいな女が命を賭けてるのに鬼が逃げ出す訳にもいかねえだろ?乗ってやるよ、アンタの賭けに。」


元親さまが何かを指で弾き上げ、おろおろとそれをキャッチする。
私の手の中に握られていたのは外国の金色のコインだった―――どうやらコレを投げるのが決闘開始の合図らしい。


「で、勝ち負けはどうでもいいって言ってたが実際にはどっちが勝つ方に賭けるんだ?」


金の薄い円盤にぎゅうと力を込めて思いっきり振り被る。あの二人の元まで届くようにと。


「――――さあ?私は賭けごとなんてやらない主義なんで。」


嘯く私の腕が振られ、放られた金貨が孤を描いて砂浜に落ちた、と同時に銀色と金色が混じり合う。
いつの間にか祈りを捧げていたはずの手は代わりに握りこぶしを作っていた。




































→Period
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あとがき。
美里様リクエスト(三成と賭け事をする話)と仁様リクエスト(元親緑ルートで和解・微妙に三角関係)を融合しました。
リクエストどうもありがとうございました!個別じゃなくてすみません。

でもきっと美里様が言ってたのってこういう血生臭い賭け事じゃないよねとか色々と思ったのですがあばばばばばば・・・
思ったんだけどリクエストなのに微妙に捻りを加えた意味はあったのだろうか・・・・うーむ・・・・・申し訳ない。

これもまた一つの「天国へようこそ」のEDのお話。
他にも色々と考えているので、力尽きなければ書いていきたいです・・・ほぼBAD落ちですが。


家康が引き受けてくれたのは自身も三成との決着を望んでいたという気持ちと、ヒロインの頼みごとだったから断れなかったみたいです。惚れた弱みってやつですね。

最初は元親がちょっと冷たいのはまぁ微妙に三角関係が成り立っているのでその中心にいる人間には複雑な気持ちがあったと言いますか。

ちなみに皆さまはどちらが勝つと思いますか?
個人的には家康が勝つのが一番収まりが良いかなと思ってます。

それにしても何でヒロインは家康が三成を殺す可能性は全く危惧してないんですかね。
黒権現だったらどうするつもりだったんですかね、と最後に不安の種をばらまいておきます。

戦国時代だから、英字のタイトルは使わないと勝手に縛りをしてたのにこのザマだよ!

では、30万打どうもありがとうございました!!

 
2011年 1月19日執筆  八坂潤

 
 
 
 
 

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