は興味を惹かれざるを得ない人間だった。 まるで空から落ちてきたかのように柿木に引っ掛かっているのを見た時は目を疑ったものだ。 とりあえず不審だから念の為に斬ろうとする三成をなんとか宥めて連れ帰れば未来の人間だと名乗った。 にわかに信じがたい話で三成は最後まで疑っていたが、戦乱の世に場違いな雰囲気から何となく納得してしまった。 未来の世は戦もなく平和が続いていると聞いた時は、やはり自分の選択は間違ってなかったと身が締まる思いだった。 そして半兵衛殿に三成と彼女の仲をなんとか宥めてほしいと言われれば二人揃って嫌な顔をするものだから思わず笑ってしまった。 は籠の中の鳥だった。 未来の人間だからと興味を持たれ、小姓の名目で三成という監視を付けられ部屋という籠の中でしか息をできない鳥のようだった。 無理に未来について聞くような真似はなかったが、裏には「三成君と彼女が仲良くなれば向こうから情報を吐きだしてくれるよ」という言葉があった。 それを聞いた瞬間哀れに感じ同情心からの世話を焼いた。 未来に、自分の家に帰りたいのだと涙を零すのを宥めて頭を撫でてやれば初めて微笑み、それを見て少し自分の罪悪感が救われた心地だった。 そして今まで今川織田豊臣と流れ渡らざるを得なかった自分にとって、相手から逆に頼られるのは新鮮に感じた。 半兵衛殿の命令でなくても彼女と仲良くなれば、きっとあの三成の孤独な魂も救われる気がして意気込んだ。 は雛のようにワシに懐いた。 三成との仲は悪くはならなかったが、互いに無干渉であろうとする姿はかえって悪化しているように感じた。 頻繁にワシの部屋に遊びに来るようになり、まずは自分が仲良くなるべきだろうとこちらも歓迎した。 元々小姓の仕事は飾りのようなもので、三成がいない時は自分が監視するようにと言われていたから問題はなかった。 そして三成は悪い人間ではないと教えてやれば(これは本当だと思っている。アイツは不器用なだけだ。)疑いながらも素直に聞いた。 しばらくすると、このままでは駄目だからと小姓の仕事について渋々とした様子で、しかし真剣に話を聞く姿は好感が持てるものだった。 そんな中、三成が倒れた時は自分がもっと見ていなかったからだと責め涙を零す姿に心のどこかが微かにちりりと痛んだ。 は籠の鍵を食い破ろうと抗うようになった。 このままでは駄目だと、半兵衛殿の思惑とは裏腹に積極的に三成を狭い世界から連れ出そうとした。 三成は終始嫌そうに顔を歪め何度か命の危機もあったがその度に助けに入り宥め、と同意見だったワシも共に世界を広げようと画策した。 よく三人で時間を過ごし、時には刑部も交えて三成と接し、世界の醜さと美しさを教えようと日々を謳歌した。 しかしいつの間にか三成を挟まずにと過ごせたらと思い、そんな感情を抱いた自分に戸惑った。 三成とを仲良くさせようと、命令ではなく自分から願って行動していたはずなのに、自分が彼女の一番でありたいと願ってしまった。 は自由の身になったはずだった。 世界に進出しようとする秀吉公を、このままでは日の元に彼女が語った太平の世が訪れないと討った。 三成ととの絆が断たれてしまうのは苦渋の決断で、二人はワシを許さないだろうと確信していた。 は秀吉公を討ったことを責めたりはしなかったが、それでもワシの元へ来ることはなかった。 「あの儚い人を放ってはおけないんです」と謝り、確かにまで居なくなってしまえば三成の心は折れる、それはワシの望むところではなかった。 それでもあの時、さらってでも彼女を自分に抱き寄せておけばよかったと今でも夜毎に後悔する。 →君の ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- あとがき。 夢主の家康に対する独白がないのは仕様です。 というか、終始いい印象しか抱いていないのでつまらな(ry こういうので書くとしたら大谷の方がまだ面白いと思いますが三部作でスッキリしました 言い訳ではないのですが家康好きです。しかしここは三成夢サイトなんだ・・・! でもガチで結婚相手選んでもいいって言われたら私迷わず家康様をポチります(そんな機会ないから本当に杞憂ですね! 夏の大三角はこれで覚えましたが、もうテストに出るような年齢じゃないことに二重の意味で絶望。 でも立向居君に「うわ・・・お姉さんショタコンなんですか・・・・」って罵られるのも悪くないかなと思いました。 バッ・・・おま、私ショタコンじゃねーよお前が好きなんだよ!円堂が好きな立向居君の目がきらきらしてて好きなんだよ!! 話がずれました。 私はショタコンじゃありません、以上!解散!! 2010年 12月15日執筆 八坂潤